【技術コラム 『エアギャップ』第5回】
見えない中心「磁気中心」がベアリングを破壊する
ロータとステータを組み立てると、磁石の引き合う力によって、軸方向の位置が自動的にスッと定まる場所があります。 これを、磁力が拮抗して安定する「磁気中心」と呼びます。
ここで恐ろしいのが、部品の形状によっては「見た目の寸法上の中心」と、この「磁力の中心(磁気中心)」がズレていることがある点です。
これに気付かずに設計・組み立てを行ってしまうと、ロータが常に「磁気中心に引き戻されようとする見えない力」を受け続けることになります。
その結果、軸を支えているベアリング(軸受)に想定外の強い圧力(予圧)がかかり続けたり、逆に圧力がゼロになってガタついたりして、異常な摩耗や振動、騒音を引き起こしてモータの寿命を縮めてしまうのです。
エアギャップの設計には、こうした「目に見えない磁力の偏り」までを把握する深い知見が求められます。
---

