【技術コラム 『トルクリップル』第6回】

究極の滑らかさを手に入れる「コアレスモータ×ベクトル制御」

全6回にわたり、モータの回転力を揺るがす「トルクリップル」について解説してきました。

精密機器や高度なロボティクスにおいて、「物理的にトルクリップルを極限まで無くしたい」という場合、構造の最適解は「コアレスモータ」になります。

コアレスモータはコイル側に鉄心(コア)がないため、磁石と鉄心が引き合う「コギングトルク」は物理的に完全にゼロになります。

■ 「コギングゼロ=リップルゼロ」の勘違い

しかし、ここで注意が必要です。「コギングがゼロ=トルクリップルが完全にゼロ」ではありません。

モータを回す際、一般的な「矩形波通電(120度通電)」を行ってしまうと、相を切り替えるタイミングで必ず電気的なショックが生まれ、理論上どうしても十数%のトルクリップルが発生してしまいます。

■ 究極の解決策:ハードとソフトの融合

本当の意味で極限までトルクリップルをなくすには、構造の最適解である「コアレスモータ」に、制御の最適解である「正弦波駆動(ベクトル制御)」を掛け合わせる必要があります。

ベクトル制御によって電流の波を極限まで滑らかにコントロールすることで、初めてコアレスモータの真のポテンシャル(完全なる滑らかさ)が100%引き出されるのです。

「機構部品の最適化」と「駆動回路による高度な制御」。 

この両輪が揃って初めて、真のプロフェッショナルなシステムが完成します。