【技術コラム 『インホイールモーター』第3回】

乗り越えるべき壁。インホイールモーターの「リアルな課題」

前回はインホイールモーターの素晴らしいメリットをご紹介しましたが、もちろん完璧な技術というわけではありません。 特にEV(乗用車)への本格的な採用においては、以下のようないくつかの課題が残されています。 

1. 「バネ下重量」の増加による乗り心地の悪化

モータを車輪内部に配置すると、サスペンションより下(バネ下)の重量が必然的に増加します。 車の設計において、バネ下重量が重いと乗り心地や操縦安定性に悪影響を与えやすくなります。 これは乗用車においては避けられない大きなデメリットです。 

2. 冷却性能の課題

ホイール内部は空間が限られているため、どうしても熱がこもりやすくなります。 長時間・高負荷の使用による発熱で性能が落ちないよう、油冷技術などの効果的な冷却対策が不可欠です。

3. 過酷な環境への耐性

車輪は水たまり、泥、ホコリ、そして路面からの衝撃を直接受ける過酷な場所です。 そのため、極めて高い防水・防塵・耐衝撃性が求められます。

4. コストの増加

駆動する車輪の数だけモータが必要になり、さらに限られたスペースに様々な機能を詰め込むため、開発・製造コストが高くなりがちです。

乗用車としての普及にはまだ時間がかかりそうですが、実は別の分野ではすでにこの技術が「大本命」として活躍しています。次回はその用途についてご紹介します。

---