【技術コラム 『減速機』第7回】

超精密の代償。「遊星歯車」と「ハーモニックドライブ」

ロボットや半導体製造装置など、ミリ単位以下の精度が求められる世界では、さらに特殊な減速機が活躍します。 

■ 遊星歯車(プラネタリギア)

太陽の周りを回る惑星のように、中心のギアの周囲を複数のギアが回る構造です。 力を分散できるためコンパクトで大トルクを出せますが、鉄の塊ゆえに非常に重くなります。 減速比を稼ぐためにギアを何段も重ねると極端に効率が落ちるため、段数の見極めが重要です。 

■ ハーモニックドライブ(波動歯車)

「歯車は硬いもの」という常識を覆し、薄い金属のカップを意図的に「弾性変形(しならせる)」させながら噛み合わせる、極めて特殊な減速機です。

バックラッシ(歯のガタつき)がほぼゼロであり、超高精度な位置決めが可能です。 しかし、金属を繰り返し変形させる構造上、どうしても「金属疲労による寿命の短さ」が避けられず、加工難易度の高さから価格も最高クラスとなります。 (※近年は基本特許が切れ、国内外の多様なメーカーが参入しています)。 ---