【技術コラム 『定格』第2回】
トルクと電流、そして「銅損」という発熱のジレンマ
モータの出力は「トルク(力)× 回転数(スピード)」で決まります。
そして、モータに流れる電流と発生するトルクは、比例関係にあります。 つまり、より大きな力(トルク)を出そうとすれば、それだけ多くの電流を流す必要があります。
しかし、ここに大きなジレンマがあります。
コイルは「巻線抵抗」という電気の通りにくさを表す値を持っており、電流がここを通る際にエネルギーの一部が熱に変わります(これを銅損と呼びます)。 電流が増えれば増えるほど、この発熱量も容赦なく増加します。
定格より高い負荷を与えてモータトルクを増加させることは、電流値を上げ、内部温度を上昇させて寿命を縮める原因となります。
例えば、モータを構成する絶縁材料の耐熱性による「絶縁等級」がE種(120℃)に設定されている場合、「120℃の気温下で動かせる」という意味ではなく、「周囲の温度と、モータ自身の発熱による温度上昇を含めて、表面温度が絶対に120℃以下でなければならない」という厳しい上限を示しています。
この温度上限を超えないギリギリの電流値が、「定格」として設定されているのです。
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