【技術コラム 『IP規格』第8回】

究極の安全領域へ。「防水防塵(IP)」から「耐圧防爆(Ex)」への進化

全8回にわたり、水、粉塵、高温洗浄、放熱のジレンマ、そして防爆に至るモータの環境対応技術について解説してきました。

モータの保護技術は、時代と現場の自動化(AGV・AMRの導入)とともに進化を遂げています。

第1世代:標準防水・防塵(IP65〜IP67)

屋外の雨風や、一般的な工場内での水ハネ・ホコリに対応。

第2世代:究極衛生・サニタリー(IP69K・SUS316L)

食品・薬品プラントでの丸洗い、耐酸・耐アルカリ洗剤、高圧熱水シュートに対応。

第3世代:絶対安全・防爆構造(Ex db IIB T4 / Ex tb IIIC)

有機溶剤(シンナー・アルコール等)のガスや、可燃性粉塵が充満する危険エリア(Zone 1 / Zone 21)に対応。万が一内部でガス爆発が起きても肉厚の鉄殻ケースで爆発を封じ込め、外の危険ガス・粉塵に絶対に引火させない「耐圧防爆構造(Ex db)」を確立。

特に近年のEVバッテリー工場(電解液エリア)や自動車塗装ライン、化学プラントを走る「バッテリー駆動AGV(自律走行台車)」では、低電圧(DC24V/48V)で動きながら、IP65相当の防水・防塵性能と、ガス・粉塵の「W防爆認証(Ex db / Ex tb)」を兼ね備えた高度なモータ足回りが必須不可欠となっています。