【技術コラム 『速度制御』第1回】

もし電車が「急発進・急停止」しかできなかったら?

モータを使った製品と言われて、何を思い浮かべますか?

ミニ四駆や工作キットのモータであれば、「スイッチを入れたら全力で回る、切れば止まる」という動作だけで十分楽しめます。 

しかし、これが「電車」「エレベーター」「自動ドア」といった、私たちの安全や生活に関わる機械になると話は全く別です。 

もし、電車のモータがスイッチを入れた瞬間に「ドンッ!」と最高速まで急発進し、駅に着いた瞬間に「ガーン!」と一瞬で急停止するだけのものだったら、立っていられないほどの衝撃を受けますよね。

さらに恐ろしいのが「カーブ(曲がり角)」です。線路のカーブに合わせて適切にモータの速度を落とす(減速させる)ことができなければ、遠心力に耐えきれず、大惨事となる「脱線事故」が起きてしまいます。実際に速度コントロールがうまくいかなかったことが原因で起きる痛ましい事故は過去にもありました。

エレベーターの滑らかな昇降も、人にぶつからない自動ドアも、すべてはモータを状況に合わせて加速・減速させ、指定の位置で安全に止める『速度制御技術』が搭載されているからこそ成り立っています。

モータの速度は、基本的には「電流」「電圧」「負荷(重さ)」などの要因で決まります。 

モータを使って思い通りの仕事をさせるためには、制御回路を使ってこれらの要素をいかに上手くコントロールするかが鍵となります。

今回から全6回にわたり、モータを賢く滑らかに動かすための「速度制御技術」について解説していきます。

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