【技術コラム 『イナーシャ』第1回】
モータを使いこなす最大の鍵「イナーシャ(慣性モーメント)」とは?
モータを設計する際、トルクや回転数と同じくらい、あるいはそれ以上に設計者を悩ませる「見えない法則」があります。
それが「イナーシャ(慣性モーメント)」です。
物理の授業で習う「慣性」は、「止まっている物体は止まり続け、動いている物体は同じ速度・方向で動き続けようとする性質」のことです。 電車が急発進する時に体が後ろに引っ張られたり、急ブレーキで前に投げ出されたりするのは、この慣性によるものです。
この慣性は、直線を走る電車だけでなく、モータのような「回転運動」にも強力に働きます。
回転運動におけるイナーシャは、「止まっている物体は止まり続けようとし、回転している物体は回り続けようとする性質」を指します。 モータの回転軸だけでなく、モータが回そうとしている対象物(負荷)のすべてにこのイナーシャが存在しています。
イナーシャが大きいほど、それを無理やり動かしたり(加速)、無理やり止めたり(減速)するためには、より莫大な力(トルク)が必要になります。
つまり、適切なイナーシャ設計を行わないと、モータの効率、応答性、さらには機械の耐久性までが根底から崩れてしまうのです。
次回は、この「見えない法則」を、誰もが知る「あの数式」を使って直感的に紐解いてみます。
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