【技術コラム 『損失・発熱・放熱』第1回】

モータ効率100%が「絶対に不可能」な理由と、一番分かりやすい「銅損」

私たちの身の回りを見渡すと、エアコン、冷蔵庫、PC、自動車など、動くもの・回るもののほとんどすべてにモータが使われています。 実に、世界で発電される電力量の約50%をモータが消費していると言われています。 

これほど数が多いため、モータ1つあたりの消費電力を下げて「電力効率」を高めることは、省エネにおいて極めて重要な課題となっています。

では、どうすればモータの効率を100%にできるのでしょうか?

結論から言うと、「効率100%のモータ」はこの世に存在しませんし、物理的に作ることもできません。

その一番分かりやすい理由が「銅損(どうそん)」です。 

モータを回すためには、銅線で巻かれたコイルに電流(I)を流す必要があります。 銅線には必ず電気的な抵抗(R)が存在するため、電流を流した時点で「Iの2乗×R」という計算式に基づき、必ず熱が発生してしまうのです。 

皆さんも、何かの拍子に導線に電流を流した時、線がじんわりと温かくなっているのを感じたことがあると思います。あれがまさに電気エネルギーが回転力ではなく「熱」として失われている(損失している)証拠です。

「エネルギー保存の法則」の通り、エネルギーは形を変えるだけで消えることはありません。 車がブレーキの摩擦熱で止まるように、電気エネルギーの一部が熱に変わってしまうため、この時点で100%の効率を持つモータは作れないということがご理解いただけるかと思います。 

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