【技術コラム 『損失・発熱・放熱』第2回】

目に見えない分子の摩擦「ヒステリシス損失」と「力率」

モータの損失には、銅線だけでなく「鉄(コア)」の内部で発生する「鉄損」というものがあります。 

今回は鉄損の一つである「ヒステリシス損失」について解説します。 

モータが回転する際、内部ではN極とS極の磁界がコロコロと激しく切り替わり続けます。

この磁界の変化に合わせて、鉄心の中にある「磁気分子」の方向や配列も絶えず変化を強いられます。 その結果、分子と分子の間で「摩擦」が生じ、それが熱となってエネルギーをロスしてしまうのです。

このヒステリシス損失は、鉄板の厚みとは無関係に発生するという特徴を持っています。 

■ 交流(AC)モータ特有の「力率」のロス

また、ACモータ特有の目に見えないロスとして「力率」の問題があります。 

交流では電圧と電流のタイミング(位相)にズレが生じることがあり、このズレによって「電線の中を行ったり来たりするだけで、全く仕事をしない電力(無効電力)」が発生してしまいます。

この無効電力を減らし、「力率(有効に働いた電力の割合)」を上げることが、ACモータの省エネ化の第一歩となります。

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