【技術コラム 『低速』第2回】
トルクの源泉。「磁石」と「エアギャップ」の最適化
モータのトルク(回転する力)を根本的に高めるためには、コイルと磁石が引き合う「磁力」を強くする必要があります。
1. 磁石の改良
最も直接的な方法は、非常に強力な磁力を持つ「ネオジム磁石」などを採用することです。 しかし、過去のコラムでもお話しした通り、ネオジム磁石は熱に弱く、高温環境では磁力が落ちる(減磁)という弱点があります。 高温になる環境では、少し磁力は落ちますが熱に強い「サマリウムコバルト磁石」を選ぶなど、環境に合わせた磁石選定がトルク設計の第一歩となります。
2. エアギャップの極小化
もう一つの物理的なアプローチが、回転するロータ(磁石)と外側のステータ(コア)の間の「隙間(エアギャップ)」を極限まで狭くすることです。 隙間が狭いほど磁力の影響を強く受け、トルクは劇的に向上します。
ただし、狭くしすぎると、モータが発熱して部品が熱膨張した際に、ロータとステータが接触(干渉)して回転が止まってしまうという致命的な事故が起きます。
運転中の温度変化まで計算し尽くしたシビアな寸法設計が、エンジニアの腕の見せ所です。
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