【技術コラム 『磁石』第4回】

国家が海底を掘る理由。レアアースの「地政学リスク」

圧倒的なパワーを誇る「ネオジム磁石」ですが、これを作るにはネオジムなどの「レアアース(希土類)」が不可欠です。 

そして、このレアアースこそが、現在世界中で地政学的な火種となっています。

かつて、レアアースの供給は特定の国(中国など)に大きく依存しており、過去には価格が高騰したり、供給が不安定になったりする事態が発生しました。

ネオジム磁石を作れなければ、EV(電気自動車)やハイパワーモータの開発において、他国に対して「軽自動車のエンジン」で戦うことを強いられ、圧倒的に不利な状態に陥ります。

近年、日本が沖ノ鳥島沖などの海底からレアアースを採掘しようとプロジェクトを進めている背景には、「なんとしても自国でネオジム磁石を作り、モータ産業の競争力を死守する」という強烈な危機感があるのです。

ネオジム磁石は1984年に日本で開発されて以来、現代の先端技術を支えてきました。 磁石の選定は、今や一企業の設計問題にとどまらず、国家のエネルギー戦略にまで直結しているのです。

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