【技術コラム『ACモータ』 第1回】

モータの歴史を動かした天才、ニコラ・テスラと「電流戦争」

私たちの生活を支えるモータや電気。その基礎には、ある一人の天才発明家の途方もない想像力がありました。彼の名はニコラ・テスラ。 セルビア出身のアメリカ人で、1856年から1943年までを生きた圧倒的な天才です。 現代の「テスラモーターズ(Tesla)」の社名も、彼に由来しています。 

■ エジソン(直流)vs テスラ(交流)の対決

19世紀末、電気の主導権を巡って「電流戦争」と呼ばれる歴史的な対決がありました。発明王トーマス・エジソンが「直流(DC)」を推進したのに対し、テスラは「交流(AC)」を提唱し、大型発電機の開発競争などで激しくぶつかり合いました。 結果として、この対決はテスラ(交流)が勝利を収めることになります。 

■ 『ファウスト』がヒント?交流誕生のロマン

テスラは二相誘導電動機(交流モータ)を発明しましたが、そのインスピレーションはゲーテの戯曲『ファウスト』にあったと言われています。

ファウスト博士は、悪魔(メフィストフェレス)の誘惑により善良な人間から悪人へと堕ちますが、最後には社会貢献に目覚めます。 テスラは、この「人間の善悪の浮き沈み」をヒントに、「人間にも浮き沈みがあるように、電気にも浮き沈み(波)がある方が自然なのではないか?」と閃いたとされています。

何気ない映画や本の中に、大発見の種は隠れている。 テスラの圧倒的な想像力は、現代を生きる私たちエンジニアにも大切な視点を教えてくれます。

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