【技術コラム 『ブレーキ』第4回】

人類の一大発見!「回生ブレーキ」が変えた車の歴史

今回は「回生ブレーキ」についてお話しします。 これは単なるブレーキの枠を超え、モータ技術における「人類の一大発見」と言っても過言ではありません。

■ 熱として捨てていたエネルギーを電気に変える

これまで、走行する自動車などを減速させるには、ディスクブレーキやドラムブレーキといった摩擦ブレーキを使うしかありませんでした。これはつまり、せっかく生み出した運動エネルギーを「熱」に変換して、空気中に捨てていたということです。

しかし、モータは外部から力を加えて回すと「発電機」になります。 

回生ブレーキは、車が減速する際の惰性エネルギーを使ってモータを回し、発電した電気をバッテリーに回収(保存)するシステムです。 発電する際の抵抗がブレーキ力として働くため、ただ熱として捨てていたエネルギーを、電気として再利用できるようになったのです。 

■ ハイブリッド車の爆発的普及と、山道での恩恵

この回生ブレーキをしっかりとコントロールできるようになったことで、トヨタのプリウスに代表される爆発的なハイブリッドシステムが完成しました。

発進や低速時は高トルクが得意なモータを使い、巡航時は一番効率の良いところでエンジンを動かす。そして減速時は回生ブレーキで電気を回収する。完璧なリレーです。

さらに、安全面でも絶大な恩恵があります。日本の急な山岳地帯の下り坂などでは、これまではフットブレーキを多用しすぎてブレーキパッドが焦げ、ブレーキが効かなくなる事故(フェード現象)が多発していました。

回生ブレーキは、エンジンブレーキのような機械的抵抗として下り坂のスピードを抑えつつ、そのエネルギーをすべて電気として車に回収します。

モータが「駆動(走る)」もでき、いざとなれば「発電機」にもなる。この二刀流を制御できるようになったことこそが、現代の機械工学における最大のブレイクスルーなのです。

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