【技術コラム 『DCブラシモータ』第5回】

避けられない宿命「摩耗」と「スパーク」の恐怖

ブラシ付きDCモータは、構造上どうしてもカーボンブラシと整流子がこすれ合うため、「摩耗」という避けられない宿命を背負っています。

摩耗の要因は、物理的な摩擦だけではありません。 電流密度の変化による「電気的摩耗」や、内部発熱による「熱・化学的劣化」が複雑に絡み合っています。

中でも寿命に対する最大の敵が「スパーク(火花)」です。 

電流の向きが切り替わる際や、振動でブラシが瞬間的に浮き上がった時に、流れ続けようとする電流が空気中を伝って放電し、火花となります。

スパークは瞬間的に非常に高い温度に達するため、整流子やブラシの表面を溶かして荒らしてしまいます。 表面が荒れると摩擦が増え、それがさらなる発熱とスパークを呼ぶという恐ろしい「負のループ」に陥るのです。

摩耗を放置すると、ブラシの金属部品が整流子に直接触れて傷をつけ、最悪の場合は焼損や火災のリスクすら引き起こします。 

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