【技術コラム 『DCブラシモータ』第3回】

フック型からモールド型まで。整流子の種類と量産技術

電流の向きを切り替える「整流子」の外周部は、一つひとつの銅製部品(整流子片)が絶縁材によって電気的に分割された構造になっています。

用途に合わせて、いくつかの種類が存在します。 

・フック型整流子:端部のフックに巻線を掛けて接続する構造で、小型モータの大量生産に適しています。 

・ライザー型整流子:立ち上がり部分(ライザー)に巻線を接続し、大きな電流を扱うスタータモータなどで採用されます。 

・モールド型 / シェル型整流子:絶縁樹脂で一体成形する構造で、小径化や量産に適しています。

整流子の表面は、ブラシと常に接触しながら高速で回転します。 そのため、外周面の「真円度」が極めて重要になります。 

整流子が偏心していたり真円でなかったりすると、回転中にブラシが上下に振動し、火花や騒音、摩耗の増加につながります。 

また、銅と絶縁樹脂では熱膨張率が異なるため、運転中の温度変化によって部品間に微小な段差が生じる可能性もあります。 何十万個という量を同じ品質で量産するには、成形から切削、検査に至るまでの総合的な製造ノウハウが不可欠なのです。

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